耐えた
「耐えなさい、貴方は。」
「耐えて耐えて、耐え続けなさい。」
「貴方にはもう、耐えるしか道がないの。」
「どれだけ逃げたくても、どれだけ生きたくても」
「最期が決まっていて、彼奴に選ばれたから」
「耐えて耐えて、耐え続けるしかないの。」
「...ごめんなさい、貴方を本来の人として生かしてあげられなくて」
「つけたかった名前も、与えたかったものも、何もかも」
「私には時間がなかった、どうすることもできなかった、どうしようもなかった。」
「...だから、壊れる時まで耐えなさい。」
「いつか檻が壊れて、貴方が鳥にでも何にでも...貴方らしく旅立てる時まで」
「耐え続けなさい。———」